RSウイルス

RSウイルスは、秋から冬にかけて流行するウイルスで、発熱や咳、鼻水を主な症状とします。幼児期以降も感染することがあり、鼻かぜで終わることも多い病気ですが、乳児期(特に1歳未満)に感染した場合、呼吸困難や急性脳症など重症化するリスクの高い、注意が必要な病気です。

0歳児では重症化するリスクが高いため、検査費用が保険適用となりますが、1歳以上の場合自費での検査となります。保育所や学校などでの流行状況も確認して、検査、診察を行います。

マイコプラズマ感染症

マイコプラズマ感染症は、長引く咳が特徴であり、その後発熱やのどの痛みなど普通の風邪に似た症状が見られます。発熱してから数日後に乾いた咳が出て、気管支や咽頭など上気道に炎症が確認されることがよくあります。

秋~冬にかけて流行しますが、年間を通じて発生します。マイコプラズマ感染による肺炎の場合、長引く咳・高熱が続くこともあります。

当院ではその日に診断可能な迅速検査キットを使って検査をします。肺炎を引き起こすこともありますので、早めの診断と対処が大切です。

感染症

溶連菌感染症

溶連菌感染症とは、溶連菌という細菌がのどに感染して、のどの痛み、熱、体や手足の発疹などが出て、舌はイチゴのようになる感染症です。腹痛、頭痛もおこることがあります。

のどの検査で溶連菌がいることがはっきりしたら、抗菌薬を7日または10日間(薬の種類で変わります)飲みます。1日か2日で熱が下がり、のどの痛みも消えます。

ただ、途中で服薬を中断すると再発する可能性がありますので注意が必要です。

抗菌薬を飲みはじめてから24時間以上経過して、熱やのどの痛みがなければ、その時点で感染力はありませんので、登園・登校可能になります。

インフルエンザ

インフルエンザは毎年冬に流行する感染症です。毎年流行する型が変わるため、毎年予防接種を受けることが大切です。高熱や頭痛、関節痛、倦怠感などを主な症状としますが、稀に肺炎や脳炎などを合併することもあります。

適切な治療を行うことで、数日~1週間程度で軽快することがほとんどですが、感染拡大を防ぐため解熱後3日(乳幼児の場合)、または2日(小学生以上の場合)は登園、登校を控えるように学校保健法で決められています。検査してインフルエンザと分かった場合、抗インフルエンザ薬を服用して治療します。

手足口病

手足口病は、手のひらや足の裏、口の中、周りに2~3㎜程度の赤いプツプツとした発疹が現れるのが特徴です。発疹の他に、腹痛や下痢、発熱など風邪に似た症状を示すこともあります。

コクサッキーウイルスやエンテロウイルスというウイルスが原因で、感染力が非常に強く、水疱の中にはウイルスが潜んでいるため水疱がつぶれて、別の所を触ると発疹が広がったり、口の中であれば口内炎になったりします。口の中やのどの痛みから、飲んだり食べたりすることを嫌がることもあります。

お友達にうつしてしまう可能性があるため、基本的に発疹がみられる間は登園ができなくなります。

感染症

ヘルパンギーナ

ヘルパンギーナは高熱や下痢、嘔吐、発疹、口腔内の水疱などの症状を示し、2日~4日程度で軽快していく感染症です。コクサッキーウイルスA群への感染が原因であり、乳児の場合よだれが多くなることもあります。

口の中に小さい水疱ができるため、飲み物や食べ物を口に入れると痛がったり、嫌がることもあります。常温のお茶や、ゼリー、ヨーグルトなど、刺激の少ない柔らかいものを摂取するようにしてください。

ひどい時には、意識障害や髄膜炎症状など命に関わることもあります、気になる症状や様子が見られた場合、早めに医療機関に相談しましょう。

プール熱(咽頭結膜熱)

プール熱はアデノウイルスというウイルスへの感染が原因で起こる病気の一種であり、咽頭結膜熱とも呼ばれます。夏に流行しやすく、ウイルスの感染力が強くプールの水を介して感染することもあるため、プール熱と呼ばれます。

主な症状は39度前後の高熱やのどの痛み、目やにや目の充血です。1週間程度で自然に回復していきますが、高熱を伴うため脱水症状や熱性けいれんへの注意が必要です。水分が取れない、食べ物が食べられない場合は症状を和らげる対症療法を行うこともあります。

感染症

突発性発疹

突発性発疹は、生まれて初めての発熱を起こすことの多い疾患で、熱性けいれんを引き起こすこともあるため、子どもの様子を注意深く見る必要のある病気です。症状は突然、高熱が出てから3~4日経過後に解熱して発疹が見られます。

ヒトヘルペス6型、7型のウイルスへの感染が原因であり、5歳ころまでにほぼ全員がかかる感染症です。解熱された時点で特徴的な症状がでるため発熱時の診断は難しいですが、高熱で脱水症状や食欲不振などの様子がある場合、症状を和らげるための対症療法を行います。

りんご病(伝染性紅斑)

りんご病は伝染性紅斑という病気ですが、両側の頬が赤くりんごのように見えることからりんご病と呼ばれています。頬の赤みの他、手足にも紅斑がみられることも特徴です。紅斑がでる前には、咳や鼻水、関節痛などの風邪症状が見られることもあります。

発疹が出た時点では、感染力も弱くなっており、感染拡大の心配は少ないです。自然に回復していくことが多いですが、発熱などの風邪症状が出ている時には解熱剤など症状を和らげる対症療法を行って脱水症状や熱性けいれんを防ぐように治療します。

感染症

水ぼうそう(水痘)

水ぼうそうは全身にかゆみを伴う小さな赤い斑点が現れ、水疱になりやぶれてかさぶたができるという3つの段階を特徴とする病気です。

水痘帯状疱疹ウイルスに初めて感染することで、発症する病気であり空気感染する感染力の強い病気です。軽症で終わることが多いですが、稀に重篤な病気に繋がることもあります。

水ぼうそうはワクチンがあるため、ワクチン接種を行うことが大切です。ワクチンは定期接種となっており、1歳から3歳の間に2回接種することをお勧めします。

おたふく風邪

おたふく風邪は名前の通り、頬から顎の下にかけて腫れが見られ、おたふくのように見えるのが特徴です。流行性耳下腺炎とも呼ばれ、唾液を出すための器官の一つである耳下腺の腫れや痛み、発熱を主な症状とします。

腫れが見られない場合もありますが、70%は腫れがみられると言われています。

ムンプスウイルスというウイルスへの感染が原因であり、難聴や脳炎、無菌性髄膜炎などの重大な合併症を起こすこともあるため、予防接種で発症を抑えたり、症状を緩和することが大切です。

感染症

はしか(麻疹)

はしかは発熱や咳、鼻水、目やに、目の充血などの症状や、全身に発疹ができることが特徴の感染症です。39度以上の高熱が出たり、ひどい時には肺炎や脳炎など命の危険に関わる合併症を引き起こすこともある病気です。

また飛沫感染や接触感染だけでなく、空気感染することもある感染力の非常に強い感染症です。予防が非常に大切で、ワクチン接種によって発症を抑えたり、発症しても軽症で済ませることができます。

ワクチンは1歳になった時と、就学前の1年間の2回接種があり、定期予防接種のため無償で受けることができるので、母子手帳を確認してまだ打っていない場合は当院にご相談ください。

風しん(風疹)

風しんは風疹ウイルスへの感染によって発症する病気で、発熱、顔や首を始めとする発疹、リンパ節の腫れがあるのが特徴です。春から初夏にかけて流行する病気で、免疫がない場合年齢に関わらず発症します。

はしか(麻疹)と比べて軽症の場合が多いですが、妊娠初期の女性が感染すると胎児に感染して流産する場合や、白内障や緑内障などの眼の疾患、心臓の疾患、感音性難聴などの先天性風疹症候群を起こす場合があります。

特別な治療法はありませんが、ワクチン接種が可能なので予防接種を受けることが大切です。

感染症

百日咳

百日咳は呼吸器系の感染症で咳が治るまで100日程度かかることから、“ひゃくにちせき”と呼ばれています。百日咳菌と呼ばれる細菌が原因で、百日咳に感染した人のくしゃみや咳に含まれる細菌に飛沫により触れることで感染する病気です。

ワクチン(四種混合)が開発されているので、ワクチンを接種することで発症を予防したり、症状を軽くする効果が期待できます。

短い咳が続けて出たり、ヒューヒューという音がする咳発作がでるのが特徴で、生後6ヶ月未満の時は重症化しやすいので注意が必要です。特に上にご兄弟がいらっしゃり、その子たちが咳をしている場合は注意してください。

尿路感染症

尿路感染症は、腎臓や尿管、膀胱、尿道などのおしっこの出る経路に細菌が感染して炎症を起こす病気です。高熱が出たり、機嫌が悪い症状に加え、腹痛や背中の痛みを訴えたりします。

また、おしっこをするときに痛がる、尿に血液が混ざる、尿が臭いなどの症状も尿の中の細菌を検査することで、尿路感染症かどうか診察します。特に生後1~2ヶ月のベビーの発熱はこの尿路感染症が原因の場合もあります。

直ぐに小児科医に相談することをおすすめします。 おしっこをするときに様子がおかしいと思ったら、尿路感染症の可能性があります。