乳児湿疹

乳児湿疹は、新生児ニキビや脂漏性湿疹、あせもといった赤ちゃんによくみられる湿疹の総称です。肌にプツプツとした発疹がみられたり、カサカサと乾燥してひび割れたようになったり、黄色がかったかさぶたができるなど様々な症状がみられます。

特に首や頭など皮脂が分泌されやすい場所や、脇や関節などのよごれの溜まりやすいところにできやすいのが特徴です。

肌を清潔に保ち正しくスキンケアを行うことで、症状は良くなっていくことがほとんどですが、放っておくと肌のバリア機能が低下して、他の病気やアレルギー、アトピー性皮膚炎などの原因になることもあるので、スキンケアの方法など早めにご相談ください。

蕁麻疹

じんましんは、かゆみの強い赤い斑点(膨疹)が、一時的かつ局所的に現れますが24時間以内に後を残さず治まっていきます。食べ物や植物、細菌、ウイルスなど様々なものが原因となって症状を示します。

じんましん自体は24時間以内に消失することがほとんどですが、掻きむしって肌を傷つけてしまうとそこから細菌やウイルスが侵入して、感染症を引き起こしたり、食事中や食後に現れた場合はアレルギーが原因であったりすることもあります。

食事中または食後に症状がみられた場合は、飲食した物をすべて書き出して、アレルギーの検査をすることで再発を抑えることや、アナフィラキシーショックを起こさないように対策を考えていくことも大切です。

乳児湿疹

とびひ(伝染性膿痂疹)

とびひは正式には伝染性膿痂疹と呼びますが、感染力が非常に強く発疹を引っ掻いた手で自身の体を触ると触ったところに広がったり、周りの人と接触すると二次感染を引き起こしたりする特徴からとびひと呼ばれます。夏に流行しやすい、感染性の皮膚疾患で全身に水膨れ(水疱)がみられます。

かゆみが強い場合は、かゆみを抑える薬やステロイド外用薬を処方して感染を拡げないようにして治療をしていきます。

感染力が強いため、水膨れに触れないように服で覆う、皮膚を清潔に保つ、タオルを共用しないなど日頃の生活でも注意が必要です。

水いぼ

水いぼはウイルス性の感染症でお子さんに多い皮膚疾患です。かゆみや痛みのない小さないぼができることが特徴です。

自然に回復していくことも少なくありませんが、数か月間にわたって徐々に増えてくることもあり、気になって掻きむったりすると、肌を傷つけて別の感染症を引き起こすこともあります。

また周りの人に移してしまうこともあります。年齢によっては漢方を長期間服用することで、症状の改善が期待できることもあります。基礎疾患があったり、アトピー性皮膚炎がある場合は全身に広がったり、細菌に感染して化膿することもあります。

こども

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、長期的に湿疹が体の広い範囲にみられる疾患です。アレルギー反応や繰り返す湿疹など原因は様々ですが、肌のバリア機能が阻害されることで、かゆみを引き起こし、引っ掻くことで、表皮が傷つきさらにバリア機能が低下するように悪循環に陥りやすいことが特徴です。

ステロイド系軟膏で治療して保湿剤などで皮膚を乾燥させない事が肌のトラブルを防ぐ大切な治療です。 症状が良くなってきたからといって、すぐに薬の塗布を中止してしまうと、まだ肌のバリア機能が回復しきっていないために再発してしまうこともあるので、指示された量をきちんと使うことが大切です。

あせも

あせもは通常、肌の表面から排出される汗が何らかの要因で皮膚の内側にたまり、肌を内側から刺激して白っぽい発疹(水晶様汗疹)やかゆみのある赤みを帯びた発疹(紅色汗疹)がみられる疾患です。

汗を排出するための管(汗腺)を汗の成分やホコリが出口を塞ぐことで汗をが行き場を失い、汗腺の中にたまってしまいます。汗をかきやすい夏や高温多湿な状況下で発生しやすく、わきや肘、首などの間接部分や背中やお尻などにできやすいです。

水晶様汗疹の場合、かゆみもない為自然に治っていくことが多いですが、紅色汗疹の場合、かゆみを伴うため掻いたり、こすったりしてしまいます。しかし、掻いたりすると肌を傷つけてしまうなど悪化させてしまうこともあるため、かゆみを抑える塗り薬を使って治療を行います。

こども

カンジダ症

カンジダ症は、カンジダ菌という真菌(カビ)の一種が原因で、肌に炎症や赤くポツポツとした発疹ができたり、口の中に白い苔のようなものができたりする疾患です。

股やお尻に発疹がみられる場合、おむつかぶれと間違えられやすいですが、おむつと触れていない場所にできることが特徴です。

カンジダ菌は通常は口の中や腸などに存在しており、健康な状態であれば症状がでることはありませんが、高温多湿な場所(例えばおむつの中など)で肌のバリア機能が低下している場合に、カンジダ症を引き起こします。爪に感染した場合、爪の変形を引き起こすカンジダ性爪炎となることもあります。

虫刺され

虫刺されは夏のイメージがあるかもしれませんが、ダニなどが原因であることもあり季節を問わず発生します。かゆいからといって、掻きむしってしまうと、他の皮膚の感染症を引き起こすこともあるので掻きむしらないようにすることが大切です。

特にお子さんはかゆくても我慢をする、ということが難しいため無意識のうちに掻きむしってしまうことが多いです。虫を寄せ付けないように防虫スプレーなどを使用することも大切ですが、虫に刺された場合には、かゆみや炎症を抑える薬を塗って治療をしていきます。