発熱

発熱は小児科で最も多い受診理由の一つです。細菌やウイルスへの感染が原因で様々な病気で見られる症状です。発熱は身体に入ってきた細菌やウイルスをやっつけようとする身体に元々備わっている免疫機能の働きによるものです。

お子さまの機嫌が良く、水分や食事がとれている場合には、座薬を使用せず氷嚢や冷湿布で体を冷やすなどの対応もお勧めします。

いつごろから、どれくらいの熱が出て、咳や鼻水の様子はどうかといった熱計表をこまめにつけておくことで、お子さまの病状を正確に把握することができ、病気の把握や適切な治療に役立てることができます。症状に応じて、解熱剤を処方して発熱を和らげます。

症状

下痢

下痢は細菌やウイルスに感染した場合によくみられる症状であり、身体から細菌やウイルスを体外に排出しようとする働きをしています。腹痛や嘔吐を伴うことも少なくありません。

下痢が続くと体内の水分が奪われて脱水症状を引き起こすこともありますが、下痢止めを多用すると細菌やウイルスが腸の中に残ってしまい症状が長引くこともあります。

他にもストレスや疲労、冷たいものの食べ過ぎや消化の悪いものをたくさん食べた場合に下痢を起こすこともあります。元気がなく、ぐったりしている場合や、目が落ちくぼんでいたり、体がだるそうにしている場合は、注意が必要ですので、お早めにご相談ください。

嘔吐

子どもの胃腸は発達段階にあり、激しく咳き込んだり、泣いたり、食べ過ぎたりすると嘔吐してしまうことがありますが、他にも細菌やウイルスへの感染が原因で嘔吐することもあります。他にも、腸重積(小腸が大腸の内側に入り込む)などの病気が潜んでいることもあるので注意が必要です。

咳き込んだり、泣いて吐いてしまったという場合は一過性のことが多いですが、繰り返し嘔吐する場合には、脱水症状を引き起こすことも少なくありません。特に呼びかけに応じなかったり、おしっこや汗が出なかったり、口が乾いていたりする場合は、脱水症状の危険のサインです。

これらの様子が見られる場合や、ぐったりしていたり、目がうつろで視点が合わない場合には、早めに医療機関を受診しましょう。

症状

咳の症状や原因は様々です。乾いた咳や湿った咳であったり、原因も鼻水がのどの奥に垂れてきて咳き込んだり、気管支喘息や気管支炎といった気管の病気など多種多様です。咳が出るという場合には、こうした咳の症状のタイプや他に気になる症状が無いかを合わせて、複合的に診察することが大切です。

また、咳に関連する症状で、ぜい鳴(喘鳴)と言って、呼吸をするときに、ゼーゼーやヒューヒューといった音が聞こえる症状もあります。ひどい咳が続くことによって、のどの奥が腫れてオットセイのような咳がでること(クループ症候群)もあります。

ひどい時には呼吸困難を引き起こし命の危険に及ぶこともあるので、気になる咳や長く続く咳が見られる場合には、早めに相談してください。

熱性けいれん

熱性けいれんは、38℃以上の高熱が出た時に見られるけいれん発作で、特に生後6ヶ月~5歳ごろまでによく見られる症状です。熱が無い時に出るけいれん発作(てんかん発作)と異なり、発熱時にしか見られないことが特徴です。

高熱を出すような感染症の合併症として見られることの多い病気であり、稀に髄膜炎などの重大な病気が潜んでいることもあります。焦らず、慌てないで注意深く様子を見ることが重要です。

けいれんの起きた状況やけいれんの長さ、いつから熱が出ているのかなど、情報を記録して医療機関に受診するときに、しっかりと伝えるようにしましょう。